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月経カップの最長装着時間に違いがあるのはどうして?




月経カップを使用する方の多くが長時間使えることがメリットだと感じられています。


メーカーによって推奨している最長装着時間に違いがあることを不思議に思った方も多いのではないでしょうか?



メルーナジャパンでは月経カップの最長装着時間を8時間としています。


日本では12時間使える月経カップが多い中、なぜメルーナが8時間なのかいくつかのポイントを交えてご説明します。


素材の違いで装着時間が変わる?




TPE(熱可塑性エラストマー)製のメルーナは8時間までの使用を推奨しています。



現在、日本で販売されている月経カップの多くはシリコーン製で12時間までの使用が推奨されています。



上記の情報だけを見てしまうと

TPE製=8時間
シリコーン製=12時間

と思われる方も多いのではないでしょうか。



ですが、素材の違いと最長装着時間の違いはまったく無関係となります。



メルーナでも以前は12時間までのご使用を推奨していました。



2018年にオーストラリア医療製品管理局(TGA)が月経カップの最長装着時間を8時間までとするよう発表しました。
→参照:Therapeutic Goods (Standard for Menstrual Cups) Order 2018 (legislation.gov.au)


また、フランスでも8時間までの使用を推奨しています。



これを受けて、安全性と衛生面を考え、ドイツメルーナ本社も8時間へ変更することを決め、メルーナジャパンでもそれに従い8時間までの使用を推奨しています。


現在、海外では素材に関わらず多くの月経カップが8時間までの使用を推奨しています。

 

なぜ8時間までなの?




月経カップやタンポンを使用している人はTSS(トキシックショック症候群)を知っている方も多いのではないでしょうか?


TSSとは黄色ブドウ球菌の産生する毒素によって引き起こされる急性疾患です。

通常は害のない黄色ブドウ球菌ですが、増殖すると毒素を産生しやすくなると言われています。



黄色ブドウ球菌は膣内だけでなく手指、鼻、のど、皮膚などどこにでも存在しています。

なのでタンポンや月経カップの使用以外に性別や年齢に関係なく、傷口や火傷により引き起こされる場合もあります。



月経カップを長時間入れたままにしていて黄色ブドウ球菌が増殖し、毒素を産生すると、TSS発症のリスクがあります。


TSSの発症は非常にまれではありますが最悪の場合死に至ることもあります。


そうしたことを踏まえて、安全性と衛生面の観点より最長装着時間をタンポンと同じ8時間としています。




黄色ブドウ球菌はなぜ増えるの?




手指を清潔にしていなかったり長時間付けたままにしておくと菌が増殖しやすくなります。



また、月経カップの素材によって黄色ブドウ球菌のつきやすさに差があります。


アメリカ合衆国保健福祉省の国立衛生研究所によりますとTPE製のメルーナはシリコーン製の月経カップより黄色ブドウ球菌がつきにくかったと研究結果が発表されております。



とは言っても月経カップやタンポンの使用が菌の増殖を助長させるわけではありませんのでどんな素材でも使用方法をお守りいただき手指を清潔にしていただくことが大切です。


まとめ




  • 最長装着時間の違いは素材が理由ではありません。
  • 海外では素材に関係なく、多くの月経カップが8時間までの使用を推奨しています。
  • 月経カップを使用する時は必ず手指を清潔にして各メーカーの定める使用方法を守ってください。